奈々の場合、老犬で免疫力が低下している事から 2度程再発しています。 女の子の場合外で地面に直接おすわりをさせると 陰部が接触するので、老犬になったら 控えた方が良いのかも知れません。 細菌が入り膀胱炎にもなりやすいです。 (いつもお散歩の後は、お尻もきれいに洗って拭いていたのですが・・・。) 今回は、膿がたくさん出て食欲がなく、 6月末から投薬治療をして様子を診ていました。 が、様子が芳しくないので手術をすることになりました。 初めて膿を見た時には、ほんとに驚きました。 膿は、外に排出された方が体内に蓄積されるより良い傾向なのだと 先生はおっしゃるのですが、目の当たりに膿を見ると、 こんなにたくさん大丈夫なのかしら・・・と不安で一杯でした。 熱は、出ていませんでしたが、何しろ猛暑も伴って、だるそうでした。 夏には、いつも食欲がなくなる奈々ですが、 病気と重なってますます食べず、困りました。 体力がないと手術を乗り切れるか不安です。 子宮も腫れていて、大きいとなお心配です。 奈々は静かに寝ていて、痛がって鳴くこともありませんでしたが、 ほんとは痛いのに我慢しているのかも知れない。 何て思ったりして、心配でたまりませんでした。 奈々は我慢強いので、病気の時は、ある意味困ります。 痛ければ痛いと鳴いてくれた方が、様子がよく解ります。 元気な子は病気になると急に静かになるから良く解ると言いますが、 奈々のようにいつも静かな子は、あまり変わりません。 オムツをして、汚れると気持ちが悪いだろうと時間を見て変えます。 「眠れているようなら大丈夫。」と おっしゃる先生の言葉を信じ、奈々の様子を逐次観察している毎日でした。 |
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午後3時過ぎ、病院から電話が入りました。 |
翌朝、面会に行きました。 奈々は寝ていたのにお迎えに来てくれたのかと 起き上がり嬉しそうにしっぽを振ります。 思ったよりぐったりしていなくて安心しました。 先生が摘出した子宮と卵巣を見せてくださいました。 金属のトレイにあふれんばかりの大きさに腫れた 子宮と卵巣が入れてありました。 その大きさに唖然としました。 「先生、こんなに大きなものなんですか?」と尋ねていました。 先生は、「普通は奈々の摘出した総量の二分の一くらいだね。 でもずいぶん小さくしてから取ったんだよ。」とおっしゃいました。 こんなに大きな内臓が摘出されて、大丈夫なのかな〜と思いました。 そして、さぞ奈々は大変だっただろうな〜と思いました。 痛かっただろうな〜と思いました。 不思議なことに、摘出したものを見ても、 恐いとか、気持ちが悪いとか、汚いとか、 嫌だとかという感情は、一切ありませんでした。 恐がりの私なのに・・・我ながら不思議でした。 |
その日は、熱があるので様子を診なければならず、 |
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8月4日、入院の前日、夜8時過ぎ以降は、 お水も含め何も口に入れないようにと言われました。 夏の暑い日です。 夜の散歩と朝の散歩の後には、いつもお水を飲んでいたのに、 我慢させなければなりません。 奈々は、「明日、やまびこ先生の所に行って、手術をするからね。 お水飲んじゃいけないんだって、我慢しようね。」と言うと、 哀しそうな顔をして下を向き、「はい。」と言います。 朝も、お水もお食事もあげれません。 朝は、奈々は自分から欲しいと言いませんでした。 ほんとうに感心するほど我慢強く物分りが良いので、 かえって可哀想です。 私は、奈々にいつでも何でも話して聞かせます。 全部の言葉が解らなくても、「明日」、「やまびこ先生」、 「病院」、「我慢」、「お水」、「いけない」・・・と 言う言葉は確実に理解していると思います。 奈々は、良くお話を聞いていて、聞きわけが良く それがかえって辛いものです。 午後一時から手術とのことで、昼過ぎに病院に行きました。 待機室に入れるように支持されました。 暗くて狭い部屋でした。 あげくに二段になったケージの上に、柴犬がいて けたたましく奈々を見て吠えます。 外犬らしく体臭もきつく私も「臭いな。」と思いました。 犬の嗅覚は、人間よりも鋭いのです。 犬は、鼻の奥にある臭細胞が人間のおよそ30倍はあるため、 高感度率を数字に表すと、人間の100万倍にもなり 500メートル先の匂いを嗅ぎ分けることが可能らしいのです。 犬の鼻は、人間の約50倍以上も効くらしいです。 耳は、2倍から10倍も聞こえています。 それなのに、こんなに臭い所に・・・と連れて帰りたくなりました。 でもそういうわけにもいかず、尻込みしている奈々に私は、 「今日は、やまびこ先生の所にお泊りするのよ。入ろうね。」と 言わなくてはなりませんでした。 中に入ると今度はケージに入れなくてはなりません。 入り口を開けると奈々は、又後ずさり、 「奈々、先生に治していただかないといけないから、 お迎えが来るまでここに入って待っていてね。 おりこうに待っていてね。」と言い聞かせます。 奈々は、じ〜っと私の話を聞いています。 さっき後ずさりをして嫌がったのに、 静かにケージの中に自分から入って行きました。 その姿を見ていじらしくて、胸が締め付けられました。 涙があふれそうになりましたが、 奈々が反対に私の事を心配するのでこらました。 待機室のドアを閉める時、奈々が私を見つめていました。 「大丈夫だよ。やまびこ先生が治してくださるからね。 ここでおりこうに待っていてね。ちゃんとお迎えに来るからね。 それまで待っていてね。」と何度も言いました。 手術の間は、帰宅してください。と言われました。 待合室で待っていたいと告げましたが、 飼い主の気配を感じると奈々自身が 落ち着かなくなるから・・・と言われました。 帰りの車の中で、涙が止めどなくあふれました。 手術は成功するだろうか。 奈々の体力は大丈夫だろうか。 奈々は待機室でおりこうにしているだろうか。 臭くてうるさくて、不安で鳴いていないだろうか。・・・と 次々といろいろと頭の中を駆け巡ります。 心配になります。 何故人間の子供の入院の時のように、 付き添いをしては、いけないのか。と思いました。 犬だって不安なはず。 飼い主が傍にいてやる方が安心するはず。複雑でした。 そして、「手術が成功しますように・・・ 奈々が死んじゃいませんように・・・。」と祈るのみでした。 |
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