奈々は、子供を産んだことはありません。 でも子犬には優しくお散歩で出会う子犬には、とても優しい目で接し、 しっぽを振って子犬のするようにまかせ、優しく見つめています。 じゃれてくる子の相手を上手にしています。 どの子も奈々をお母さんと勘違いするのか、 奈々のおっぱいを捜すようにお腹の下に顔を入れます。 奈々は、何をされても優しく静かにしています。 Shelleyの時もそうでした。 何をされても怒ったり、うなって牙をむいたりなんて決してしませんでした。 というより性格的に出来ないのではないか・・・とも思います。 嫌だと思っても我慢してしまうのでしょう。 Shelley が我が家に突然やってきた時も、 自分の感情を表に出す事をしないで我慢していたのだと思います。 今まで一心に受けていた自分への愛情が Shelleyに注がれたことも淋しかったのだと思います。 神経性の胃腸炎で下痢になり、 食べ物を受けつけない程、 傷ついたとは、私もショックでした。 奈々は、とてもナイーブな心の子だったのだと、 その時改めて気が付くとは、飼い主として失格です。 ホームドクターのやまびこ先生 (やまびこ動物病院の先生なので我が家では、そう呼んでいます。) にも叱られました。反省することしきりです。 ごめんね・・・奈々・・・ |
奈々は自分がいつでもShelleyより先にしてもらえることなどから、 だんだんShelleyとの生活にも慣れて来ているように見えました。 ある日、お薬を頂きに病院に行きました。 診察台の上に奈々を乗せた時、ぽたっと白い水滴が落ちました。 先生も看護婦さんも私も、「えっ、何?」、と凝視。 先生が奈々のおっぱいを見ると、母乳が出ていたのです。 絞ると出るほどの少量ですが・・・、驚きです。 先生は、Shelleyが甘えて 奈々のおっぱいを飲むしぐさをするからだろう・・・と言っていました。 奈々が、だんだんお母さんのような愛情を Shelley に抱いたのでしょう。 子供を産んだ事のない犬でも、 優しい犬の場合こんなこともあるらしいのです。 新しいShelley の飼い主が決まった頃のことです。 奈々は、Nさんの家にShelleyが貰われていった後も、 時々Shelleyを捜しているみたいでした。 お散歩の時もNさんの家の方に行きたがります。 あんなに苦労して奈々の為にShelleyの飼い主を必死で捜していたのに・・・。 今度は、Shelley に会いたがっています。 「そんな思いなら、Shelleyを家の子にしたのに・・・。」と Nさんに悪いと思いながらも・・・そう思った私でした。 時々、会いに連れて行っていたのですが、 Shelley の歓びようがもうすごくて、 Nさんが、 「飼い主の私たちが帰ってきた時より、嬉しそうにしている・・・。」 なんて淋しそうにポッっとおっしゃるのを聞くと、 何か申しわけがなくて・・・,心苦しくなります。 自分の犬が飼い主以外の人の方に懐いて 甘えているのを見るのは、気分の良いものではないはず。 努めて会いに行くのを、控えたものです。 私も奈々もShelley が可愛い・・・..。 でも、もうShelleyは、N・Shelleyなんですから・・・。 奈々には、Shelleyとの出会いは、 母性愛を刺激する辛い体験でもありました。 そして、私にも・・・。 |
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